ブログ「子育て科学日記」すべての記事

不安の化け物

「ゲド戦記」を見ました。不勉強なので原作も知らないし、ジブリ作品にも疎いし、的外れなことを書いてしまうかもしれないのですが、見ていて一つだけ、すとんと自分の中で落ちる部分がありました。 与えられた生を粗末に扱ってしまう、命を軽んじてしまう、そんな人々に対してこの映画は、「それは不安に支配されているからだ。」というメッセージを伝えます。人間は元来、死や老いることを認め受容するから、生を尊ぶことができ…

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子どもの力

自慢ではないが私は小学校時代に三回の転校を経験した。たった六年間の小学校時代に通算四校の小学校に通ったわけである。正直言って転校によって子どもが受けるダメージは親の想像以上であることは、自身、身をもって体験した。小学校というところは、たとえ同じ地域であっても、その校長以下管理職の人間の意向によって校風も指導方針も全く異なるものである。ましてや同じ日本でも話す言語の違う地方へいきなり引っ越して転校し…

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ハリネズミ

時折、「まさにハリネズミだなあ」と思う親に出会うことがある。心理学でよく使われる「ハリネズミのジレンマ」という言葉がある。ハリネズミが仲間をもっと知りたい仲良くなりたいと思って近づけば近づくほど、お互いの体から飛び出ている鋭い針がお互いの体を深く傷つけ合ってしまう、というものだ。これが親子の場合だと、子どもハリネズミの針はまだ完全に伸びきっていないので、もっともっと悲惨だ。「子どもを思っている」「…

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博物館

私は、茨城県自然博物館というところがお気に入りでして、本当にヒマさえあればてくてく出かけています。広大な里山全体が博物館の敷地となっていて、展示物だけではなく館外も楽しめるスポット満載のすばらしい博物館です。本日も雨の連休最終日、絶好の博物館日和(?)と出かけてきました。大体が家族連れ、大体がお父さん連れ、子どもは結構楽しそう。こういう風景をみると私などはとっても嬉しくなってしまいます。今の世の中…

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家族を作る

母娘の関係は本当に難しいと思っていた。同性であるがゆえに、思春期の反発はすさまじいものがあるし、母からしてみれば、娘の行動が歯がゆかったり、口出ししてみたくなったりとあれこれかまいたくなってしまうのであろう。こんなバトルを乗り越え、娘は自分の将来の自己像を作り上げ、独立していくのである。。。。。ところが、である。最近はこのバトルがなく、まるで一卵性双生児のような仲良し母娘が多くなってきているという…

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新年にあたり・・・

こんな怠慢な日記ですが、見てくださる方もいらっしゃることですし、今年も出来るペースで続けて行きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。新年にあたり、抱負など語りたいところではありますが、抱負というよりは、年々強くなってくる自分の中の思いについて今日は語りたい、などと思います。 「こころを育てる」ということは脳を育てる、ということなんだ、そしてそれは日常のなにげない「大人から子どもへの…

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心配なんです

2-3歳の高熱を出して意識も朦朧としている子どもをかかえたお母さんと全く同じような顔をして思春期の不登校の子を持ったお母さんは「子どものことが心配なんです」と言う。私はこの言葉を聞くと、とても悲しくなる。なぜなら「何故心配なのか?」をつきつめて問答を進めていくと、必ず「このままではきっとこの子はずっと学校に行けず、人生の落伍者になってしまう。この子はそうなるに違いないから。」という言葉が浮かんでく…

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本好きな子は親が作るの?

昨日、某大手出版社の方の講演会を聞く機会があった。児童書、特に古典に造詣の深い方で、その知識から概説される児童書の読み取り方には、なるほどと思わされる点も多くあり、大変ためになった。 私が少し違和感を感じたのは、その方が「子どもを本好きにするかしないかを決定するのは、親、特に母親の責任です。質の悪い本を与えてはならない。良書のみ選んで与え続けなさい」という意味のことを繰り返し強調しておられた点であ…

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親育て

「子どもの精神心理外来」って一体何をしているの?どんな子どもが来るの?というような疑問を持たれる方もいらっしゃるとは思うのですが、実際に私の外来の診察室に入ってくる人は、意外に大人が多く、日によっては子どもよりも大人の人数のほうが多かったりするのです。たとえば不登校の子の場合、子ども自身は自分の部屋にこもりっきりだったりするので、外来にはその子を心配する親御さんのみが通ってこられる場合もあります。…

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アメリカの危機

ニューオーリンズの様子が知りたくて毎晩CNNを見ています。とても大きなコンベンションセンターがあることと、「どこへ行っても同じ」アメリカの各州と比べると「very different」である独自の文化があることから、国際国内を問わず、サイエンスの学会は良く開かれる町です。私も数え切れないほど訪れたことがあります。画像で送られてくるNew Orleansは、私の知っている、常にJazzが流れているF…

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出会いと別れ

今日はかなり私的な話なのですが。最近江國香織さんの「神様のボート」という小説を読んだのですが、その中にすごく衝撃をうける一文があって、この2-3日ずっとひきずっています。それは、「一度出会ったら、人は人をうしなわない。」という言葉です。「一回出会って(心を通じた者同士は)たとえ離れて暮らさなければならない運命でも、あのひとならこんなときどう思うか、とかどんなことを言うか、とか想像することはできる」…

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野球を習わせる?

巷で盛んなお稽古事ですが、近頃は「今度野球を子どもに習わせようと思って」なんて言っているお母さんもいるようで。なんかおかしくないですか?野球って習うものでしたっけ?私たちが子どものころには、物心ついたころから男の子は草野球をやっていたもんでしたよね。ちゃんとしたバットや球がなくても、「見立て」で木の枝とゴムボールなんかでもOK、そこらじゅうの路地は野球少年であふれていました。まあ、それはそれとして…

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我慢、できますか?

先日参加した早起きサイトのシンポジウムは大盛況で内容も濃く、とても楽しかったし勉強になった。百ます計算の陰山先生が、全く立場が違っていても私たちが考えている「現代の子ども環境の危機は、親の意識改革をしない限り救えない」という全く同じ意見をお持ちであることが、皮肉にも私としてはますます現代日本に対して危機感を募らせる結果となった。一日平均2.7時間テレビを見て、遊びといえば友人同士集まってテレビゲー…

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子どもに伝えたいこと

近頃加熱している早期教育ではあるが、「私が英語が苦手だったから子どもには英語ぺらぺらになってほしくて・・」とか「子どもをバレリーナにしたくて・・」という動機で子どもに習い事をさせる人も多いような気がする。たとえば自分がピアノをずっと習っていて、もちろんプロではないにしても今でも音楽に親しみ、ピアノを弾くことでストレスから解放されたり、友人の輪が広がったりということを親自身が日々実感しているのなら、…

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三つ子の魂

私事で恐縮だが、私は8歳まで東日本に住み、その後8歳から30歳くらいまで西日本に住み、外国生活を経てまた東日本に住み始めて今年で約7年になる。小学生から思春期、そして成人期までの大事な時代を関西で過ごしたので、当然関西弁ぺらぺらであり、吉本新喜劇を敬い(?)、たこ焼き大好きである根っからの関西人と自負してきた。ところが、である。こちらに住むようになってしばらくして、自分が思っていた以上にこの地域に…

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