ブログ「子育て科学日記」

家族を作る

母娘の関係は本当に難しいと思っていた。同性であるがゆえに、思春期の反発はすさまじいものがあるし、母からしてみれば、娘の行動が歯がゆかったり、口出ししてみたくなったりとあれこれかまいたくなってしまうのであろう。こんなバトルを乗り越え、娘は自分の将来の自己像を作り上げ、独立していくのである。。。。。ところが、である。最近はこのバトルがなく、まるで一卵性双生児のような仲良し母娘が多くなってきているという。成人前はもちろんのこと、驚くことに、娘が伴侶を見つけ結婚していても、毎日娘の新居に通ってご飯を作り、掃除をして世話をなにくれとなく焼く。休日は娘の夫を一人残して、母娘でショッピングに出かけてしまう。普通に考えると娘の方が「お母さんやめてよ!」と反抗して親を締め出しそうなものなのだが、今の娘たちはそれをよしと受け入れる、あるいは、経済力のある親世帯に寄生することで楽をできると喜んでいたりするらしい。さらにはその娘夫にしても、嫁に気を使う必要がない分、勝手に遊んでいられる、とこんな結婚生活を大歓迎でしているという。こんな夫婦間に子どもが出来ても、その家族は家族とはいえないことは自明の理であろう。家族は、縁あって一緒に暮らすことになった他人同士が、新しくルール作りをしてお互いの良いところも悪いところも見せ合って、自分たちの力の範囲で作り上げていくものだと思う。決して楽しいとか嬉しいとかばかりの場ではないのは当たり前。時には血を吐くような苦しみを味わって、それでもなお一緒に暮らしていくことが、結婚生活であり、家族の作り方なんだと私は思う。そんな中から家族構成員一人ひとりがその役割を強く認識して互いを思いやることができたとき、最小単位の社会である家族は完成形に達するのであろう。こんなプロセスこそが、人間として最も大事な「社会性」を次の世代に伝えていくという、家族の持つ大事な役割であると思う。これこそが、親が子どもに伝えていくべき財産なのだと思うのであるが、こういった新婚家庭にまで影響を与え続ける母が蔓延しているということは、すでに今の親世代が家族の役割を継承する任務を放棄し始めているということなのであろう。だから私は、娘たちは勇気を持って母と訣別する、あるいは訣別の覚悟を持つべきものである、と思うのである。

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