ブログ「子育て科学日記」

子どもの力

自慢ではないが私は小学校時代に三回の転校を経験した。たった六年間の小学校時代に通算四校の小学校に通ったわけである。正直言って転校によって子どもが受けるダメージは親の想像以上であることは、自身、身をもって体験した。小学校というところは、たとえ同じ地域であっても、その校長以下管理職の人間の意向によって校風も指導方針も全く異なるものである。ましてや同じ日本でも話す言語の違う地方へいきなり引っ越して転校したときの大変さといったらなかった。いまでも鮮烈に、転入初日から言葉の違いや運動のできなさなどを理由にひどいいじめを受けたことは覚えている。そんなひどい仕打ちを受けながらも、いつの間にかしっかり毎回新しい学校に溶け込み、友人ができてきたのはどういうプロセスを経てだったのだろう。急に方言が操れるようになったわけでも、運動神経が急成長したわけでもなく、私は私のままなのに、その私をいつの間にか級友たちは受け入れてくれていた。今思えば、子ども時代にこのような「子どもの力」を体験できたことはとても貴重なことだったと思う。私は、今の子どもたちだって十分こういう力を持っているのだと信じている。しかし、残念なことにさまざまな場面において、不必要な量の大人の力が入ってきてしまうために、子どもたちはこじれてしまっているような気がしてならない。特にいじめやけんかに対するあまりにも神経質な大人の過干渉は、時として子どもを学校から遠ざけ、病み弱らせてしまう。どうか、もっと子どもの力を信じて見守ってほしいと切に願うのである。

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