我慢、できますか?
先日参加した早起きサイトのシンポジウムは大盛況で内容も濃く、とても楽しかったし勉強になった。百ます計算の陰山先生が、全く立場が違っていても私たちが考えている「現代の子ども環境の危機は、親の意識改革をしない限り救えない」という全く同じ意見をお持ちであることが、皮肉にも私としてはますます現代日本に対して危機感を募らせる結果となった。一日平均2.7時間テレビを見て、遊びといえば友人同士集まってテレビゲームを黙々と部屋でしている子どもたち。その子どもたちを「一人で遊んでくれて手がかからないから楽だわ」と思っている親たち。夜じゅう開いているコンビニを利用するたくさんの子連れの人たち。それがいけないことなんだということなんか、どんな立場の人でもみんなわかっているのだ。やめれば子どもがよくなることなんかずっと前からみんな気づいているのだ。でも、やめられるだろうか。やめるように誰が言えるのだろうか。たとえ誰か言ったとして、どれくらいの人が行動に移せるだろうか。テレビを消して、早く寝ることは「我慢」することだ。コンビニのスナックを夜中に買いに行かないようにすることは「我慢」することだ。朝早い時間に起きて朝ごはんを食べることは、できるだけギリギリまで寝て睡眠時間を確保することを「我慢」することだ。秒単位の電車の遅れを、歯軋りして足踏みして怒号を上げて責め立てるこの国の民に、今ある便利を「我慢」しなさいということがどれだけ無意味なことかと思う。陰山先生のおっしゃるように日本人は決して学力が劣っているわけでも能力が低いわけでもないのなら、「なぜ、我慢しなければならないか」という理論をきっちりと若いうちに教育して、「我慢が出来る人間」を育成しなければならないと思う。ということで、今私は教育にこそ、次世代以降の日本の行方を定める鍵がゆだねられていると思っているのである。