ブログ「子育て科学日記」すべての記事

大丈夫だよ

ずっと更新もせずにどこが「日記」なんだと突っ込まれそうですが・・少々転職のために忙しくしておりました。これからはできるだけまめに更新していこうと反省しております。 さて、今日は「大丈夫」という言葉について。私はこの言葉は育児でぜひ多用してもらいたい言葉だと思っている。抽象的な言葉なので乳児には理解できないと思わずに、ぜひ毎日赤ちゃんに語りかけてあげてほしいと思う。「おなかがすいたらママかパパが必ず…

>>続きを読む

伝える、ということ

発達障害や心の問題などを専門にし、その科学的な解明を目指している立場上、私はいつも「ヒトがヒトである」ということは何を持って他の動物と明確に区別されるのか、というようなことを命題に考えているわけである。そんな観察眼で見ていると、コミュニケーション、つまり自分の心を相手に伝える能力こそヒトのヒトたるゆえんなのではないかという結論に達してくるのである。その、本来ヒトが一番磨かなければいけないスキルが今…

>>続きを読む

ほめると叱るは背中あわせ

育児書は興味があるのでよく目を通すのだが、今の育児法の主流は「ほめて育てる」である。ほめてやることで、脳に「快」の刺激を与え、がんばろうという向上心の動機付けをする、また自分を信じ、自分の存在を無条件に大事だと思う心を養う、という理論は脳科学の考え方からも理にかなっており正しいことだ、と私も思っている。 しかし、叱る、という行為も「ほめる」と同様とても重要で難しい育児の鍵のひとつであることを親御さ…

>>続きを読む

「おべんちゃら」の効用

なんとなく、ではあるが、昔に比べて「おべんちゃら」を言う女の人が少なくなったような気がする。たとえば「まあ、ステキなコートねえ」とか「今日はなんか髪型がいつもより決まってるわね」とかそんなに強く思っていなくてもちょっと大げさ目にほめるだけで、人は心地よくなるものではないだろうか。みんな、自分や家族を守ることに精一杯で、人をほめることにまでなかなか気が回りきらないのだろう。でも、そういう手段を使って…

>>続きを読む

硬い子考2

今日も引き続き「硬い子」の話。最近「こだわりのラーメン」とかいう使い方が多くなってきて、一般に「こだわり」という言葉が浸透したせいか、よく親が自分の子供を「こだわり」と表現する場面に出会うことが多いように感じる。たとえば、先日デパートの子供服売り場横のトイレで大泣きしている3歳くらいの子供のことを母親が父親に「いつもここへ来た時に入る個室に誰かが入っていて泣いてるの。この子のこだわりだからねえ」と…

>>続きを読む

心と頭が硬い子が増えている?

最近、というか問題抱えて外来に来るこどもを見ていて一番気になるのが、「硬いなあ~」とあきれてしまうような子が多いことだ。硬い、というのは適切な用法ではないのかも知れないが、結構業界仲間では使っている。簡単に言えば「融通がきかない」「遊びがない」心と頭がカチコチになっている状態。「学校に行きたいけど、朝全然起きられないし、おきても頭痛がするし。。どうしたらいいんでしょうかっ!」と悲鳴のような声を上げ…

>>続きを読む

子どもをみつめる

思春期に壊れてしまった子供たちとその家族を診ていて特徴的だなと思うのは、自分の子供の本質的な性格を理解できていない親が多いということである。愛情がない、とか虐待している、とかいうわかりやすいケースはむしろ少なくて、どちらかといえば、かまいすぎるくらいに子供のことをかまっていて、なにくれとなく世話をやいたり、習い事をさせたり、「子供のために」仕事をやめて家にずっといてあげたり、という親のほうが圧倒的…

>>続きを読む

一粒の麦

新約聖書に書かれているたとえ話に、「一粒の麦」の話がある。同じ穂から落ちた麦のうちの一粒は道路に落ち、すぐさま鳩に食べられてしまった。またある麦の粒は石畳の隙間に落ち、芽を出したが根を張れず、枯れてしまった。しかしある麦粒はふかふかの土の上に落ち、立派に根を張って大きく実った・・という話である。この話を5歳ごろまでの臨界期の子どもの発達におきかえることができると私は考える。どんなに気の利いた教育(…

>>続きを読む

早寝早起き朝ごはん

聖徳大学の鈴木みゆき先生のご著書のタイトルを拝借してしまったが、鈴木先生たちが主催しておられる早起きサイトhttp://www.hayaoki.jp/とその活動は目覚しいものがある。週末お会いして、ますます感銘を受けてしまった。子どもの睡眠リズムが日本で激しく乱れている証拠として、2歳児の平均就床時刻が午後10時以降の家庭が半数以上である、というのにも驚いたが、それよりも驚いたのが、日本の小中学生…

>>続きを読む

イライラAさん、のんびりBさん

中学二年の不登校の子を持つお母さんAさんは「子供の務めである"学校へ行くこと"を放棄しているわが子の姿に心から腹が立ち、いらいらする。毎日毎日早く学校に行け、と文句ばっかり言っている」という。ところが、同じ中学二年の不登校の子を持つお母さんBさんは「最初はね、私も腹を立てていたんですけれども、だんだん子供が毎日いることになれちゃうと、一緒に昼のドラマ見てあーだこーだ言ったり、家事を手伝ってもらった…

>>続きを読む

Holiday Season

昨日、すでに3割引!になっているクリスマスツリーを発見してつい衝動買いをしてしまった。。昨今はショッピングセンターなんかでも、ずいぶん早くからクリスマスモードになるようになった、と感じる。以前の記憶では日本ではせいぜい12月10日ごろからクリスマスツリーなんかが目立ち始めたような気がするのであるが。アメリカでは古くから11月の第三木曜日の「thanksgiving day」から年末までがholid…

>>続きを読む

氏か育ちか

近々開催される講演会の打ち合わせで、テーマにしようとしていた「氏か育ちか」と言う言葉は中高生(講演会の聴衆)にとっては古いなじみのない言葉で、ピンとこないのではないか、と言う意見が出た。たしかにそうで、「氏」なんて使っているくらいだから、この言葉は相当古いものであることは間違いないのであろう。しかし良く考えれば、この内容は、現在の科学の粋を集めて(私を含め)取り組んでいる命題そのものであって、昔の…

>>続きを読む

脳とこころの子育て

やっと念願の著書が完成! 「脳とこころの子育て」。バクゼンとしたタイトルではあるが、脳を育てること、それこそが心を育てる、そしてヒトを育てるということである、という考えからつけた。 子どもに広がる心の病気、それは脳を意識した回りの対応によって多くの場合、回避されたりよくなったりする可能性がある。そんなことを少しでもわかってもらえたら嬉しいと思っている。

>>続きを読む

ページの先頭へ