ブログ「子育て科学日記」

一粒の麦

新約聖書に書かれているたとえ話に、「一粒の麦」の話がある。同じ穂から落ちた麦のうちの一粒は道路に落ち、すぐさま鳩に食べられてしまった。またある麦の粒は石畳の隙間に落ち、芽を出したが根を張れず、枯れてしまった。しかしある麦粒はふかふかの土の上に落ち、立派に根を張って大きく実った・・という話である。この話を5歳ごろまでの臨界期の子どもの発達におきかえることができると私は考える。どんなに気の利いた教育(麦粒)を施したとしても、受け手である子ども(土壌)がふかふかに耕されていなければ、根を張ることもできずに枯れてしまう。つまり、1-2歳の早期から教育を施すよりは、じっくり5歳くらいまでかけて脳を刺激してやって「教育を受け入れる体勢」をしっかり整えてやってから一気に教育を始めた方が根が張りやすく後々立派な実を結ぶことができると、私は考える。あせらず、いそがず、子どもの土壌が肥されるのを待つことが結局は「使える脳」をつくるのではないだろうか。

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