ブログ「子育て科学日記」

三つ子の魂

私事で恐縮だが、私は8歳まで東日本に住み、その後8歳から30歳くらいまで西日本に住み、外国生活を経てまた東日本に住み始めて今年で約7年になる。小学生から思春期、そして成人期までの大事な時代を関西で過ごしたので、当然関西弁ぺらぺらであり、吉本新喜劇を敬い(?)、たこ焼き大好きである根っからの関西人と自負してきた。ところが、である。こちらに住むようになってしばらくして、自分が思っていた以上にこの地域になじむ自分に気づいた。知り合いも友達も少ない地なのに、とても暮らしやすいのである。不思議に思いつつ何年か暮らして、最近ようやくその原因に思い当たった。関西と関東では、植物や動物の分布がかなり異なる。自分でもすっかり忘れてしまっていたこのあたりに咲く名もない草花や昆虫たちは、実は私が幼少期に触り、摘み、捕まえて遊んだその草花や虫たちなのである。先日ももう何十年も見たことのなかった草が生えているのをみつけ、それで作る草笛のやりかたを指が覚えているのに気づき自分に自分で驚いたりしている。それ以外にも、この地で食べた食べ物、日差し、風のにおい、鳥の声、すべてが私の原体験なのである。この発見に私はわれながら驚き、鳥肌が立つ思いである。自分でいつも主張している「五歳までの脳育て」そのものではないか!やはり人間の脳は、特に幼少時の発達期に五感から入力した刺激が作るのである。それが人間の核になる人格のもと、心のもとといえるのではないだろうか。それと同時に、人間は人間だけで生きているのではなく、人間を取り巻く自然や環境によってこそ育てられているのだ、ということも強く確信できた「我が身を用いた人体実験」の結果である。

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