ブログ「子育て科学日記」

大人のいいかっこ

最近はうちの近くにも住宅が増え、以前は2ブロック先だったゴミ捨て場が、今は自宅から徒歩10歩くらいのところになりました。便利便利です。

が、6軒ほどで使っているこのゴミ捨て場、以前住んでいた都会のように「ゴミ捨て場掃除当番」など決まっていません。

それでも、これまではさしたる問題がなかったのです。

が!先日、袋の口の閉じ方が甘くて収集の際にほどけて落ちてしまったのか、はたまた亀裂の入ったゴミ袋だったのか、集積場の床に、ヨーグルトの蓋とかマスクの切れ端、など10アイテムほど(いずれも私の捨てたごみではない!ほっ!)が散らばっているのを発見しました。その時は、チョー急いでいたので、そのまま出勤してしまったのですが、その次のゴミ捨ての時もまだまだ同じアイテムたちは集積場の底に散らばっていました。ですが、すでに私のゴミ袋はきっちり封をした後&チョー急いでいたので、そのまま出勤してしまいました。

しかし、その次のゴミ捨ての時にはちゃんと覚えておいて、あらかじめ家からトングを持ち出し、まだ封をしてない自分のゴミ袋にそれら10アイテムを拾って詰め込み、きっちり封をして捨て置きました。あーすっきり。

で、出勤しながら考えました。

うちの家以外のおうちは、すべてまだ幼小中学生の子どもがいる。もし私がまだ小学生の子どもがいる親で、あの散乱したゴミを見つけたらどうしただろう。たぶん「ラッキー!」と思っただろうなあ。なぜなら、「こういう時にはね」とおもむろに子どもにトングを持たせ、今日私がやったようにごみを拾って自分の家のゴミ袋に入れさせ、「誰のかわからないゴミであっても、みんなの使うゴミ捨て場が汚れてたら、誰かがきれいにしなきゃだめなんだよ。(えへん)」といいかっこができただろうから。地域社会のつながりが希薄な今日この頃、こんな場面でしか、大人のいいかっこは見せられないしなあ~

しかしながら、そもそもこのゴミ捨て場に子どもがゴミ出しにきているところを見たことはないし、それどころか、めっちゃ近所なのに車でやってきて、道路の方から乱暴にゴミ袋を投げ入れているお父さんもしばしば見かけます。(だから袋が壊れてゴミが散乱したのでは・・という憶測もアリ)

自慢じゃないですが、うちの子どもが小学生の時には、毎朝親子一緒に、犬2頭の散歩がてら2ブロック先のゴミ捨て場まで捨てに行っていました。このエリアは古くから住んでいらっしゃる方たちが多くいらして、ちょうどゴミ捨ての時間が一緒になったりすると、ガサツな犬たちを連れた私たちを気遣って「いいよ、頂戴」と私たちのゴミ袋を気負いなく受け取り、きちんと隙間なく整然と集積場に並べて下さり、頭が下がる思いを毎回していました。そんな温かい交流によってあたり前に子どもに育つはずの心が今は全く育まれなくなったので、「道徳」を教科にするなどというバカげた事態になっているのですよこの国は。

大人が、ちょっと大変だけど子どもの前でいいかっこをしてみせる、そんな気概はどこに行ってしまったのでしょうね。

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