ブログ「子育て科学日記」

痛みのしくみ

皆さんこんにちは。
6月に入り、なんとなく梅雨の予感・・・ですね。
お元気でお過ごしでしょうか。

私は、このところ痛みと戦っております。
1か月ほど前から坐骨神経痛がいよいよ悪くなってしまって、今や薬漬け。
薬が少しでも切れると、信じられない度合の痛みがやってくるので、とにかく薬を切らさないように飲み続けております。
当然こんな状態をいつまでも続けるわけにはいかず、近日中に次なる治療のステップに這い上る(?)予定です。
まあ、年を取ればいろんなガタがくるものですので、それはそうとして淡々と受け止めてはいるのですが。

痛み!
です。
Pain、です。

今回、自分がこの慢性疼痛を患って、部分的かもしれませんが、患者さんの苦しみが理解できました。
痛みはその部位だけで感じるものではなく、慢性化すると脳を繰り返し強く刺激するものなんですね。
もちろん論文等で知識としては知っていたのです。
視床から前頭葉へとつながり、繰り返される疼痛認知のサーキット。
それがこれほどまでにつらいものとは。
薬が切れてひどい痛みが起こり、また薬で押さえてしばらくして薬が切れて痛みが起こり、というのが繰り返されると、だんだんそれが本当の罹患部位である右足ではなく、あたかも脳の深部で起こっているかのように感知され、それが延々波動のように繰り返される。まさに脳天を槍でつつかれているような痛みが脳髄に響く響く。これは本当につらいものです。
だから、痛みが去ってもぐったりしているのです、脳が。
これは多分大脳皮質が発達した人間ならではの疼痛なんだと思いますが、とにかくまさに脳疲労。へとへとです。本を読もうとしても文字が脳に入ってこない。もちろんパソコンなんて全く触れない。
ただただ写真集などを眺めるだけしかできませんでした。

でも、今は良い薬が出ています。今まで一般的だった、炎症を抑えて局所の痛み物質を抑える消炎鎮痛剤に加えて最近は、この、脳における痛み感知を鈍らせる作用のある薬が出始めているのです。
・・ということで私も、一昨日から飲み始めてみました。
すると、面白いことに、本当に脳と痛みが切り離される感覚が味わえるのです。これは新しい!
まだ全然坐骨神経痛は良くなってないので、やっぱり、痛み止めの作用が切れると、激痛は起こるのです。
が、それはあくまで右足さんの痛み、であって脳には響かない。
だから、急いで痛み止めを飲んでそれが効くまで「ううう・・・」と我慢していれば、脳は疲れることなく痛みは遠のきます。
もうすぐ、さらに進化したCGRPモノクローナル抗体を使った新薬も出てくるはずで、この辛い辛い人間ならではの慢性疼痛も、人間ならではの人知をもってして、制覇されそうであると思うと、なんというか、皮肉というか面白いというか・・・

ま、とにかくこの新薬のおかげさまで、やっと私はなんとかパソコンに向かえるようになり、こうやってブログを書けるようになったということで、ありがたいことではあります。

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