マンゴーガス漏れ事件!
昨日の朝、ガスコンロでお味噌汁を作ってました。
娘はアイランド調理台でスムージー作りをしていました。
お出汁を取り、具をドサドサ入れ、煮込みつつ、では、ゆで野菜でも作ろうかと思ったその時です!
「なんか、ガス臭い!!」娘と私が同時に気づきました。
慌ててコンロの火を消し、窓を開け、換気扇を回し、どこからガス漏れしてるのか探し回りました。でも、五徳に顔近づけてフンフン臭いを嗅いでも、ガスの元栓のそばに行って臭いを嗅いでも、特にガスの臭いなし。
でも、間違いなくガス臭いのです。台所全体に漂ってるのです。
娘と二人して、麻薬捜査犬よろしく隅々まで嗅ぎ回ってたその時、娘がすっとんきょうな声で叫びました。
「マンゴー!!」
それは夕べ、某ファミレスのマンゴーフェアで食べて、とても美味しかったので、レジの横で売ってた3個入りのフィリピンマンゴーをお土産にと買い求めたものです。
黄色く熟れたおっきな果実が行儀よくウレタンの敷物の上に鎮座してる、そのパックに鼻を近づけた途端、「臭っ!!!」絶句です。
紛れもなく、ガス漏れ臭なのです。ホントです。
完熟マンゴーはガスの臭い。新発見です。
その後娘と考えました。
都市ガスは無臭のはず。
確か、ガス漏れに気づきやすいようにわざと臭いをつけたらしい。
その時に選ばれたのが「マンゴーの香り」だったのかも…そうか、ガスの臭いはマンゴーの香りだったのか?
いやいや、面白い。さらに妄想膨らむ母娘は、「これ、使えるかも!!」と、マンゴーを使った完全犯罪のプロットに思い当たったのです。
「ある完全犯罪」
とあるアパートの2階の1室で夕方、男が死んでいるのが発見された。
隣室の住人からの「隣からガスの臭いがする」という通報で、大家が合鍵を使って部屋に入ると、すでに死後硬直が始まった遺体がうつ伏せに倒れていた。
検死の結果、男が死亡したのはその日の午前中、一酸化炭素中毒と思われる。
同じアパートの多くの住人が、「午前中からガスの臭いがしていた」と証言。
警察は、自殺と断定した。
ああしかし、警察は大きなミスを犯している。
実は男は別の場所で殺されていて、午後、犯人によって部屋に運ばれ、ガス自殺を偽装されたのだ。
午前中、住人が嗅いだ臭いは、犯人がアリバイ工作のために部屋に置いた、たくさんのマンゴーたちが放つ、ガス漏れ臭に極めて類似した臭いだったのだ。そんな長時間、本当にガスが漏れてたら、とっくにガス漏れ検知器が作動してるか、何かに引火してガス爆発が起きていたことだろう。
もし、警察が犯人が持ち去る時に落っことした完熟マンゴーが潰れてつけた、床の黄色い染みに気づいていたなら…
(完)