ブログ「子育て科学日記」

中津でびっくり!

皆さんこんにちは。
今日で3月が終了。
私の勤める大学は今日から新学期!
何かとせわしい春です。

ところで、前回のブログを書いた時にお伝えしたように、私は先日中津市に講演会で伺わせていただきました。
九州です。大分県です。
そして中津と言えば中津藩。

ということで、講演会の前の午前の時間を利用して、中津の駅前から中津藩散策に出発しました。
目指すは中津城。
朝早くてまだ開いてないインフォメーションセンター前に、偶然落ちてた市内案内図を見つけました。ラッキー!
これを片手に歩けば、そこは本当に江戸時代のにおいがぶんぶんする街並み!
あの黒田官兵衛さんの弟さんが始めたお寺とか、赤い壁が延々続くお寺とか、ステキな寺院がひしめき合ってるんです。
うっとり歩きながら案内図を見ていると、ちょうどこの横丁を入ったところに「大江家医家資料館」があるとのこと。
こう見えて、医学を学ぶ者の端くれ、途端に興味深々で横丁を折れました。
で、すぐについてはみたけどまだ開店前。
どうしよう~と思いながら門が開いていたのでそうっと入ってみると、江戸末期から続くおうちそのものを資料館として開放しているようす。
しかも薬草園付き!
そう、江戸時代のお医者さんは自分で薬草を育て、煎じてお薬を作ってたんですよね。

だ~れもいないので、勝手に薬草園の方にふらふら行ってみたら、そこに手入れをされているおじさんが!
「すみません、まだ開店前ですよね?」「あ、いいですよ~どうぞどうぞ、ご説明しますよ~」と本当にご親切。
お言葉に甘え、マンツーマン解説付きで観させてもらうことに。

「大江家は中津藩の侍医をしていて、これはその中でも勉強熱心だった大江雪沢が大阪で華岡青洲の娘婿に医学を習いに行った時の書付で・・」「えっあの華岡さんですよね。初めて麻酔手術をした」「そうそう、あの華岡さんの親せきですわ~」「うわ~っ!!これ、本物ですねえ!えっすごい!1841年ですって。文化文政ごろ?」
それまでの物静かで上品な様子(・・だったと私は思うのですが~笑~)から一変、突如興奮しだして矢継早に質問を浴びせる私に、ややひき気味のおじさん、「も、もしかして、医療関係者の方ですか?」と聞かれて、しれっと「まあ、それもそうなんですけど、それよりは江戸時代研究家ですかねえ~」と答えた私(笑)。

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でも、興奮はここで収まらなかった!
次のコーナーに本当にさりげなく置いてある書物たちを見て、私はぶっ飛びました。
「えっ!えっ!これって解体新書ですやん!(最初の「東京から来ました」モードが崩れてだんだん関西弁になってくる)なに?これえんぴつで「初版本」書いてあるけど、どうゆうこと?」「あ~これね、中津藩藩医つながりで、前野良沢さんが持ってたの、もらったか買ったかしたみたいですよ。あとから増し刷りされたんは多くあるけど、初版本は珍しいみたいやねえ~。まあ、大江家は中津の中津藩医で、前野さんは江戸の中津藩医だから直接交流があったかどうかはよくわからんのですが」「いや、めっちゃ貴重なもんやないですか~びっくりですぅ!」

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・・・そんだけ私が騒ぎ立ててると、だんだんおっちゃんもなんか「自慢」モードが盛り上がってきて、「そんなんいうたら、こっちもすごいですよ~宇田川榕菴の舎密開宗が全巻そろってるんですわ。それにこっちは重訂版の解体新書ですけど、全巻きれいにそろってるんはあんまりないけんね。」

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「こっちも見てください。これはね、参勤交代の時に持ち運んだ鎧なんですけど、きれいに折りたたみ式になっとって、箱に収まるんですよ。」
なんてどんどんお宝を出してくる出してくる(笑)。

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その他にもいろんな素晴らしいお宝づくしの大江医家資料館。
ぜひ皆様も中津に行かれた際には訪ねて下さることをお勧めします。
開店前から押しかけてるのに、親切にご案内くださったおっちゃん、もとい、担当員の方。
本当にありがとうございました!

本当は、中津城とか村上医家資料館とか、もっともっとご紹介したいのですが、オリエンテーションが始まるので、サラバ!

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