ブログ「子育て科学日記」

一面のマーマレード

先週末、埼玉県深谷市に行って参りました。
一年以上前からご予約をいただいた、本当にありがたい講演会でした。
が、前日になって、昨年大学の用事で深谷市に行った時の帰りに電車が止まり、と~っても長い時間をかけてやっとこさ帰ってきたことを思い出し、乗り換え回数の多い長い道のりを電車で行くのがつらいなあ・・と思い始めました。
で、「もしかしてつくばからなら、車の方が早いかも!」と思って地図を確かめてみると・・・なんと、私の知らない間に「北関東道」がつながっていて、ひゅーっと横にいけば、深谷に行けるではありませんか!!

これは、もう車で行くしかない、と朝7時、楽しい一人ドライブに出発しました。
何を隠そう私のたくさんの趣味の一つは、高速道路を走行しながら大音量で音楽を聴くこと!!
新緑の北関東道は、交通量も少なくて暑すぎもせず、窓全開で走るのが何とも気持ちいい・・・

いろんなCDをかけていたのですが、途中で山下達郎さんの「僕の中の少年」になったとたん、頭の中で記憶がよみがえりました。
「!!これ、中国自動車道で聞いてた・・・」
そう、今をさかのぼること四半世紀前。私は研修医で西脇市民病院に勤めておりました。
官舎が病院敷地内にあり、自室に内線電話が通じている病棟直結の環境で、唯一気が抜けるのがオンコールも当直もない日。
そんな日は、車に飛び乗りあてどなくいろんなところに行ってました。
ちょうどそのころ、一番お気に入りでかけていたのが、このCDだったのですねえ。
マーマレード・グッバイという曲の中に「空はなんて一面のマーマレード」という歌詞があるのですが、西日に照らされた空がまさにマーマレード色で、胸に深く染み入った記憶が、本当に泉がわき起こるように突然脳の中にもくもくと出現してきました。

おかしいのは、思いだしてみれば、本当に取りつかれたようにこのCDばかり聴いていた時期もあったというのに、今の今までそのことを全く忘れていた、ということです。中国自動車道から見る景色と今運転している北関東道から見る景色は、そこはかとなく似ていて、それがきっかけになって、海馬の奥底に仕舞われていた記憶が突然よみがえったのだと思います。
今のこの瞬間まで、厳重に記憶にストッパーがついていてリリースされなかったのは、おそらくネガティブな感情とリンクしやすい状態だったからでしょう。
当時、忙しいし厳しいし、寒くて暑いし、世界が狭いしで、煮詰まった毎日でしたが、いやな思いをこうやって音楽と共に閉じ込めてもらえていたんだなあ、と改めて音楽の力に感謝です。

2時間ほどの快適なドライブで無事、保育園に辿り着き、びっくりするくらいワイルドな園庭に感激して、写真を撮らせてもらいました。
講演会もとてもたくさんのお客さんに集まっていただき、楽しくお話しをさせていただきました。
皆さん、ありがとうございました。

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