ブログ「子育て科学日記」

奇跡がたくさん!

先日の台風26号はまた大きな被害を残して去っていきましたね。
被害に会われた伊豆大島を初めとする各地の方々にお見舞い申し上げます。

私はといえばその朝、始発電車に乗りました。
以前から色々とお世話になっている新潟県某市で、幼児の運動と脳・こころの関係を調べる実験をさせていただくために学生たちを連れて出かける予定になっていたからです。
地元の電車が動いてくれていたおかげで、私は東京駅になんとかつくことができました。

いやあ、本当に無理だろうと思いました、前日の予報を聞いて。
乗るはずの特急電車は前日の時点で運休が決まってしまったし、一年かけて計画してきたけど、予定通りに行うことはまず不可能だな、運が悪かったな、と一旦あきらめたくらいです。

でも、前日の時点で現地の方が特急不通区間をマイクロバスを手配して送って下さる算段を整えて下さり、学生たちも当日朝自宅からそれぞれ必死の思いで東京駅に時間通りに集まり、新幹線もとりあえず動き、私たちは無事に某市での実験を予定通りに終わることができたのです。
これは、本当に奇跡だと私は思いました。
人間が作る奇跡、「思い」が作る奇跡です。

で、現地での実験なのですが、まずは子ども達の脳機能やストレスなどのデータをとり、その後40分ほどスポーツトレーナーのもとで協応運動を取り入れたプログラムを行い、そのあとで再度データを取る、というものでした。
驚いたのは、最初何度言っても聞かないで走り回っていた幼児たちが、運動後はすっと姿勢よく座ってじっと測定が終わるのを待っていられたことです。会話もきちんとできて、笑顔もたくさん出るのです。
まあ、今回の実験そのものがそういった運動の効果を検証するためのものだったので、当たり前といえば当たり前なのですが、これも奇跡、だと私は思います。「子どもの脳」がつくる奇跡ですね。

その後、夕食を食べているときもずっと新潟地方は雨が降り続いていました。
いよいよ寝る時刻近くなったときです。
突然雨がやみ、空の早い流れの雲の間から顔を出した澄み切った月の光と星のまたたき。
あまりにも神々しくて、誰もが言葉を失い、ただ空を見つめていました。
しかも、それはわずか10分ほどで終わり、その後はまた一晩中雨が降り続いたのです。

これは文字通りの奇跡、「自然」の奇跡としか思えないのですが、この一瞬の奇跡を今回、皆で一緒に体験できたことは素晴らしいことだな、と思います。
大変なことが数多くあった今回の実験ツアーですが、行ってみるとたくさんの奇跡に出会えた旅でした。
何か非日常の行動を起こすのって大変!っていうアタマがどうしてもありますが、「経験」は何にも代えがたい宝なのだと思います。まさに百聞は一見にしかず、ですかね。

現地でご協力くださった皆さんをはじめ、うちの大学のみんなにも感謝です!
ありがとうございました。

ページの先頭へ