ブログ「子育て科学日記」

ブルネイ王国の子どもたち!

週末、たった2泊3日ではありましたが、ブルネイ王国の高校生2人がうちにホームステイしていました。
敬虔なイスラム教徒である彼らは、基本的に肉を食べず、お酒も飲まず、一日5回メッカに向かってお祈りをしますので、ホストファミリーのみなさんは注意をしてください・・などと事前の研修でたくさん聞かされ、いったい何を食べさせればいいのやら、と悩んでいましたが、フタをあけてみればなんのことはない、みなiphoneを持ち、Facebookをするフツーすぎる子たちでした。
肉を食べないといったのは誰?という感じで鳥のカラアゲもミートソーススパゲティもパクパク食べてて、びっくり。
朝からずっと町に遊びに出てても全然困ってなさそうなので、お祈りはしなくていいの?と聞くと「いいのいいの」とかる~い返事。「イスラム教はお化粧は禁止しているんだけど、私ら、ティーンエイジャーだしねえ」なんて言ってカラーコンタクトしているし。
そういえば、ずいぶん昔にイスラム教信者だという研究者と一緒に仕事をしていた時にも、宴会でビール飲んでカラアゲ食べてたよな、と思い出しました。

兄弟が6~7人いるおうちはあたりまえ、親戚と合わせて20人くらい一緒に住んでいるおうちもあるとか。
そのせいか、小さい子どもたちが大好きで、町を歩いていても、2-3歳くらいの子を見つけると、すぐに寄って行ってハグをしていました。(事前研修では、ブルネイでは触られることを恐れる人が多いので、急にハグをしたりしないでください、と言われてたのにぃ!)
電車がない国なので、電車に乗せたら嬉しそうにつり革の写真を撮ってました(笑)。

お恥ずかしい話ですが、ブルネイという国がどこにあるのかすら知らなかった私たちにとって、刺激的な体験!
とっても楽しかったです。
比較的異文化交流をする機会が多い私ですが、色々な国の人たちと交流をしていて、最も感じることは、結局人間って「同じ」、ということです。
もちろん服装や持ち物、髪の毛や肌の色、そして宗教や言語は全く「違う」ので最初はびっくりするのですが、時間が経つにつれて、それでも人間は「同じ」なんだなという点がどんどん強く感じられるようになってきます。
そしてだんだん「違う」が薄まってきて、「同じ」にとって代わってくる感覚。
同じ、というのはつまり「人間はそれぞれ個性がある。国とか人種で個性が決まるのではなく、その人が生まれたあと、どのように脳に刺激をうけつつ発達してきたか、で決まる」ということなんです。

この感覚こそ、子どもたちに最も教えなければいけない感覚なんでしょうね。
国際化、なんていって英語を早期から教え込んでも、大人たちがこの感覚を身に着けていなければ、本当の意味での「人間理解」なんてものが子どもに起こるなんて、ありえないと思うのです。
日本人は残念ながらこの感覚を持っている大人が少ないと私は思います。
それは今の日本人がどんどん好奇心を失ってきているから。
大人より抵抗が少ないはずの子どもたちも、なかなか前には踏み出せません。こういう機会があっても「怖い」「いやだ」と抵抗を示す子どもは本当に多いのです(何か国もの子どもたちと一緒にキャンプを行うプログラムに関わっていますが、年々参加したいという子どもが減ってます)。

さらに悪いことには、最近は国も人種も同じなのにもかかわらず、他人のことを「違う」と強く感じてしまう人が急増中です。
一旦「違う」と感じると、「怖い」「いやだ」と抵抗し、それ以上時間をかけて「同じ」なんだと納得するまで付き合うことを拒否します。
それでどうするかというと、「違う」と思う人を徹底的にいじめる。
「違う」と思う人の中に入らずに、引きこもる。
「違う」と思う人に無関心になる。
なんとも子どもが育ちにくい世の中になったものです。

ということで、これを読んでくださっている大人の方、ぜひ一度勇気を出してホームステイに手を挙げてみてください。
親子ともども、とっても貴重な経験ができますよ。
2泊3日くらいなら、仕事をしながらでも、気軽に受け入れられます。
お勧めで~す。

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