ブログ「子育て科学日記」

自己肯定感の作り方

週末はまたまた講演会で名古屋に伺っておりました。
たくさんの暖かい聴衆の皆様に支えられ、無事楽しく終了いたしました。本当にありがとうございました。

ところで、その移動の新幹線の車中で、おっちょこちょいの私はまたしても大変なことをしでかしてしまいました。仕事をしていたので、肘掛から取り出したテーブルにおいたPCにUSBを差し込んでいたのですが、ふとした拍子に、肘掛の、テーブルを取り出したあとの細い隙間にUSBスティックが落ちてすっぽりはまり込んでしまったのです!
覗くと見えるのですが、その隙間は約30センチほどの深さで幅は3センチくらい。
どうしても手が入っていきません。
細長いものも持っていないのでどうにもしようがなく、私は車掌室に行って車掌さんに事情を話し、「何か細長い棒かなにか貸していただけませんか」とお願いしたのです。
すると、そこにいらした親切な車掌さんはわざわざ座席まで出向いてくださり、座席クッションごと取り外し、割りばしやセロテープ、コードなどを使って戦うこと15分。
「どうしよう~個人情報入っているし取れないとまずいなあ・・」とびくびくしていた私にぴかっと笑顔を向け「お客さま。大丈夫そうです。とれそうです!」と言ってくださり、その言葉通り、ほどなくUSBスティックは私の元に・・・
もう感謝感激で大喜びしてお礼を申し上げる私に、引き続きさわやかスマイルで車掌さんは、「取れて本当に良かったです!」と自分のことのように喜んで下さいました。

嬉しくて嬉しくて、私はその話を帰宅してすぐに娘にしました。
そうすると、聞いていた娘は一言「それは、その車掌さんにとっても『俺ってやればできんじゃん!』っていう気持ちになれた出来事だったよね」と感想を述べたのです。
なるほど、と私は思いました。
今、「自己肯定感」がうまく作られない若者や子ども、親御さんが増えていると感じます。
自己肯定感とは平たく言えば「自分って大丈夫!」「自分って価値のある人間だよね!」と自分で思える心です。そう、まさに娘の言った「俺ってできんじゃん!」なんです。
確かに、自分には関係ない他人事なのに、その人のために自分の時間と労力を割いて真剣に取り組むことによって、喜ばせてあげることができたときに「俺ってできんじゃん」が生まれるってその通りだな、と思います。
大震災の時にたくさんのボランティアの方が被災地に向かいました。
私が昨今行っている親子キャンプでもたくさんの学生たちがボランティアで参加してくれます。
その、ボランティアの人々の顔が皆大変な労働を行った後なのに光り輝いて見えるのも、やはり「俺ってできんじゃん」効果なんでしょうね。
特別な機会ではなくても、日常的に困っている隣人に力を貸す、そのことが自己肯定感を作る近道であることを、再度学ばせていただきました。

あ~、でももちろん娘にも「でもその前に、お母さんがおっちょこちょい過ぎるのが何よりいけないって話だけどね」と釘は刺されました(笑)。
はい。反省しております。
車掌さん、本当にご迷惑をおかけしました。

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