ブログ「子育て科学日記」

携帯母はまだまし?!

飲食店(ファーストフード店なんか)に行ったときに、最近よく見るのが、親一人子一人で来ていて、飲食中全く会話がないっていうケース。
昨日も見たんですが、お母さんがずうっと携帯を操作していて、お母さん自身も全く食べ物を見ていない!
もちろん子どもは全く無視されてて、一人で食べているのと変わらない様子。黙々とご飯を平らげていました。
まあ私も仕事しながら昼ごはんっていつものパターンなんで人のこと言えませんが、一応一緒に食べる相手がいるときには見ますよね~ご飯も相手も。

・・・っていうのをこれまでは主に憂えていたのですが、最近はこれ以上に憂うべき事態があると思うようになりました。
それは「一見仲良し親子」の危険性です。
皆さんもご承知のように、最近「いい子」の起こす凶悪犯罪が増えています。
全く関係のない人たちを無差別に殺したり、自分をこれまで慈しんでくれた家族をいとも簡単にばっさり斧で断ち殺したりした子どもと言える年齢の人たち。
報道ではほぼ必ず「とても良い子だった」「優秀な子だった」「普通の家庭だった」「家族でよく出かけていた」など「信じられない!」といった周りの方の感想が出てきますよね。
「いや~あの家は普段から母さんが子どもを怒鳴っている声が良く聞こえてきましたね~~」とか「家族で食事をしているところを見たら母さんは携帯ばっかしているし~」とかいうコメントって見たことない・・・

おりしもちょうど埼玉で少女が父親を刺し殺したという事件がまた起こりましたが、近所のコメントはいざ知らず母親自身が「仲良し家族なので、全く原因が思い浮かばない」と証言しているのを聞いて、私はこれこそが一番の病理だよねって思ってしまいました。

人間なんて、「いっつも仲良く」なんてできるはずがないと思います。だって大人だって子どもだって感情があって気分が上下するのがあたりまえなんですもの。
大きな社会の中では、上下する気分や感情を押し殺して暮らしていても、最も気持ちを素直に出せる場が家庭なんですから、家族には「ただむしゃくしゃして」あたりちらすとか、親に言われて「いやだそんなの!」「お母さんなんか大っ嫌い!」って反抗したりとかいうネガティブな感情だって絶対に出るときがあるはずです。
それがあたりまえ、それが正常。
でも感情のぶつけ合いで傷付くのが怖いから、家庭の中ですらケンカをしない、できない大人はとても多いと思います。
それは、「本当の仲良し」ではない、と私は断言できます。

特に子どもが成育過程で、ネガティブな言葉や感情を時には爆発させて出してよい、ということを家庭で教えられていなかったら、どうなるでしょう。
小さいときから、それを「ないもの」として心の奥底にしまいこむ訓練ができてしまうのです。
さらに、大人たちも、子どもにおこるネガティブな感情を見過ごしているか見ないようにしていれば、「非の打ちどころのない仲良し家族」の出来上がりです。

こうして子どもが累々と行き場のなかったネガティブな感情を溜め込んだとき、一気に大きな衝動性のエネルギーになることは十分考えられると私は思うのです。
もちろんこれは全くの憶測であり一般論です。
でも実際に外来等でお会いする家族での「仲良し家族」頻度が高いと実感しているのも、本当です。

そうなると、ある意味ありのままの自然体で、子どもの前で「良い家族」を演じていない、先の「携帯無言母」はむしろ子どもを安心させるのかな~??なんて考え直したりしてしまうわけです(笑)。
そういえば、お母さんが携帯をいじっている間、子どもは食べているだけではなく回りのお客さんの言動や行動をじっと観察しているようにも見えたし(笑)、あれはあれで脳が働いているのかも。

でもやっぱり食事は楽しくおしゃべりをしながらしましょうね。

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