ピアの力
毎年のことですが、先日卒論発表会が終わり、やっと今年の学生指導が一旦終わってほっとしている私です。
年々仕事が増え忙しくなるばかりなので、学生指導をする時間が取れず、今年はいよいよタイトなスケジュールの中で何とか形に仕上げさせたという印象です。
でも、先日の発表はいずれ劣らずカンペキな迄に練習をしてあって、全員堂々と、原稿を全く手に持たずに観客の前に立ち、余裕の笑みで見渡しながら、落ち着いて話せていました。
他のゼミ生が演台に貼り付いて下を向き、原稿棒読みしているのとは雲泥の差で、観客の学生たちも、居眠りもなく大きくうなずきながら聞き入ってました。
毎年、この光景を見るたびに私は、誇らしく思うと共に「ピアの力」を痛感するのです。
年間60回以上の講演会をこなし、授業やアクシス、外来と、常に人前でプレゼンしている私がそうしなさい、と指導しているので、この結果は当たり前といえば当たり前なんですが、普通は指示しただけでできる訳は当然なく、本番までには相当回数の指導が必要なものなのです。
数年前までは、1月は毎日のように練習を繰り返していたと記憶しているのですが、最近は、本当に時間が取れず、数回しか相手できません。
でもそんな状況でも、学生たちは年々クオリティを上げてきているのは素晴らしいことだと思います。
これは一重に学生達自身が私の言っていることを真剣に聞いてくれて、ピアの力、つまりお互いに支えあい、高めあう力をいかんなく発揮した結果のことなんです。
毎年のことですが、最初はバラバラで、ちょっとできる子ができない子をやや下に見ている感じ、なゼミ生達が、それこそ寝る間も惜しんで毎日毎晩集い、練習を繰返し、批評しあい、直し、練習し、を繰り返して、最後の発表の時には本当に仲良しで、お互いに心から認めあっている姿に変わっています。
私は、これを見る度に毎年感動でうるっとしてしまいます。
教育効果ってこういうことです。絶対に。
今の教育の一番の問題は、私はこのピアの力を有効活用している場面が極めて少ない事だと思っています。
教員も親も、子どもの力をもっと信じてほしいなあ、と心から思います。
4年生の皆さん、本当に頑張ったね!!
お疲れさまでした♪