兼業主婦に必要な資質とは
本日、久しぶりに娘と家にいます。
思い立って残り物一掃カレーを作ることにしたのですが、その際に「そうだ娘に圧力鍋の使い方を教えよう」とその原理について話しながら作らせました。
水の体積は100℃で273倍になること、その圧がしっかり弁がふさがった状態で食材にかかっていくこと。
化学の復習をしながらたった5分。具材がしっかり煮込んだ状態になっているのを見て、これまで普通の鍋でしか作ったことがなかった娘は歓声を上げていました。
私は子どもといる時間が少ないのですが、そんな限られた時間の中で、一緒にいるときは子どもを積極的に台所に入れようと心掛けてきました。
私は決して料理好きの母のもとで愛情いっぱいの料理を食べて育った、というわけではありません。
むしろ逆で、私の母はもともと料理があまり得意ではなく好きでもなかったのです。
はっきり言って母の作る料理はワンパターンで美味しくない、と感じていましたが、台所は母の城でしたから、子どもの私にはどうすることもできませんでした。
ところが、小学校の高学年のあるときから、家庭の事情により私が家族全員の夕食を作ることになったのです。
ある程度「今日はおでんを作って」など母から指示が出るのですが、私は自由に台所にあるものを使って自分好みの味を作ることができるようになり、自分が食べたい味を作ることってなんて楽しいのだろう!と感激したのです。
その後、大学時代には授業をさぼって神戸マダムに交じって(笑)料理教室に通い、雑誌のレシピを見ては再現し、工夫を重ね、と研究を続けて今に至っております。
決して手の込んだものは作らないし、お惣菜や外食もどんどん併用するし、ですが、「この味、大好き!」を追求することにはいつもワクワクします。
今、大学の教員と医師、そしてその他の様々な業務を兼務しながらも、私が家庭人としてもなんとかやっていけているのは、料理を苦にしない、好きな味を追求する趣味・性質があるからだと思っています。
これができると、夫婦や親子とは言っても味覚の好みは違うし、「今食べたい」と思う物も違うということが体でわかるので、愛情の押し付け的無駄な手料理攻撃をしなくなり、「これに関してはお惣菜のほうが上手い!」と言えるようになります(笑)。これって本当に楽ですよ。人を家に呼びやすくもなりますし。
だから、この性質を娘にもぜひ作っていきたい、というのが私の子育てにおける究極の目標なのです。
兼業主婦になるために、何より大切な資質だと思うから。