ブログ「子育て科学日記」

人権教育

私は、自身の大学や仕事の関係で、医師や大学教員など同業者の友人や知り合いが多いのですが、その人たちが親として生活している姿を垣間見ていると、??と思うことも結構多かったりします。今日はそんなお話を。

医師であるとか、親も医師だとか言うと、「やっぱり優秀な家系なんですねえ」と言われることが多いのですが、実際には脳の機能は遺伝的な部分は高々2割くらいなもので、残りは生後の脳の育ちに依存するところが大きいので、優秀な家系、というのはほぼ理に合わないことだと思っています。

でも時々、同業者の知人が口にすることにびっくりしてしまうことがあります。
「うちの子、中学受験させようと思って塾に通わせてみたんだけどさ、これがバカなんだよね。なんで俺の血を引かなかったんだろう」とか「自分の子どもが自分とは似ていないってわかることって結構つらいよ。」「偏差値ってさ、60より下があるんだって子どもをもって初めて知ったよ」などなど・・・
それをあろうことか自身の子どもの目の前で発言する輩もいて・・

根本的なところで自分の子どもを信頼も受容もしていないのをこんなに公言して、一体親子関係大丈夫?って聞きたくなってしまいますが、それは余計なお世話なので黙っています。

ただ、私はこれは人権意識という点から言えば、大変なる問題だと思っているのです。
こういった発言には、初めから差別意識がそこここに含まれていて、よしんばこのような暴言を受け続けて育ったお子さんたちが無事成人して社会人、例えば医師になったとしても、きっと幼少期から伝えられ続けた同じ価値観、同じ差別意識が根付いていることと思います。
一般的に社会的強者になりつづけやすい、こういった人間たちの極めて歪んだ人権意識の継代連鎖が、とてもよく見えすぎてしまって悲しくなります。

人権教育研修の講師などもさせていただくことがあり、児童生徒に人権意識を指導することはとても重要だと私も思っています。
でもやはり学校だけでは不十分なんです。
家庭での生活は、子どもの人権意識の形成にもとても重要な役割を果たしているはずです。
私は、学校教育と同時に家庭教育にもうまくテコ入れできる方法があれば本当にいいな、と思います。

あ、もちろん私の同業者でも素敵な親業をされている方もたくさんおられますので、誤解なきよう・・

ページの先頭へ