早寝早起き朝ごはん
聖徳大学の鈴木みゆき先生のご著書のタイトルを拝借してしまったが、鈴木先生たちが主催しておられる早起きサイトhttp://www.hayaoki.jp/とその活動は目覚しいものがある。週末お会いして、ますます感銘を受けてしまった。子どもの睡眠リズムが日本で激しく乱れている証拠として、2歳児の平均就床時刻が午後10時以降の家庭が半数以上である、というのにも驚いたが、それよりも驚いたのが、日本の小中学生の一週間の平均TV視聴時間がなんと41時間に達しているそうだ。毎日学校に行って、さらに塾や習い事もした上で一日に6時間もどうやったらテレビを見られるのか、私には不思議でしょうがない。さらに不思議なのはそれだけ家でテレビが付けっぱなしになっている状態で家族のコミュニケーションが果たしてちゃんと取れているのか、と言うことだ。教育や保育、医療、科学に携わる者たちはもうずっと前から日本の家庭の状況に危機感を募らせて、データを取ったり社会に向けて警告を発したりしているのだが、一番の問題は、今の状況を「子どもが良くなる」方向へ改善することはすなわち親たちに「ガマン」を強いることになること、つまりみたいテレビをガマンして消す、眠いけれども早起きする、大変だけれども朝ごはんをつくってみんなでそろって食べる、といったことであるため、なかなか浸透しないことなのである。ラクなこと、楽しいことを辞めろということは本当に難しいことだと実感する。こうして地球という星は、ヒトという動物の絶滅を招くのかなあ、なんて考えてしまう。博物館の質問コーナーで「宇宙人と交信するために一番手っ取り早い方法は?」という質問の答えが「地球の破壊を止めて人類の滅亡を防ぐ」というとても哲学的な答えになっていたが、まさにその通りで、いまやヒトは個人主義の享楽に溺れ過ぎて、地球の未来も子孫の未来にも思いを寄せることができなくなったのかもしれない。