ブログ「子育て科学日記」

ほめると叱るは背中あわせ

育児書は興味があるのでよく目を通すのだが、今の育児法の主流は「ほめて育てる」である。ほめてやることで、脳に「快」の刺激を与え、がんばろうという向上心の動機付けをする、また自分を信じ、自分の存在を無条件に大事だと思う心を養う、という理論は脳科学の考え方からも理にかなっており正しいことだ、と私も思っている。 しかし、叱る、という行為も「ほめる」と同様とても重要で難しい育児の鍵のひとつであることを親御さんは理解していてほしい、と思うのである。 「ほめる育児」は実は叱る育児と背中合わせになっていると私は思う。 子供の些細ないいところをいっぱいみつけて、たくさんほめてきた親は、同時に叱らなくてはいけない場面もすぐに判断できるはずだ。親の価値観や信念、そして各家庭のルールに照らし合わせて「どうしても子供の行為をほめることができない」時が叱らなければならない時だからだ。 電車の中で走り回っていても、外来で診察されて聴診器を当てられているのにTVゲームをし続けていても(!)、ねだって買ってもらったお菓子を一口食べて「これまず~い」と言って捨てても叱られていない子たちは、結局ちゃんと親に見つめられていない、ほめられていない、ということなのだろうと思う。

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