ブログ「子育て科学日記」

子どもに伝えたいこと

近頃加熱している早期教育ではあるが、「私が英語が苦手だったから子どもには英語ぺらぺらになってほしくて・・」とか「子どもをバレリーナにしたくて・・」という動機で子どもに習い事をさせる人も多いような気がする。たとえば自分がピアノをずっと習っていて、もちろんプロではないにしても今でも音楽に親しみ、ピアノを弾くことでストレスから解放されたり、友人の輪が広がったりということを親自身が日々実感しているのなら、また、楽しくピアノを弾く姿を親自身が子どもに見せることができるなら、確信を持って子どもにピアノを習うことを薦めることが出来るし、なぜ辛い繰り返し練習が必要なのかも自分の言葉で教えてやれるはずだと思う。それがない親はどうやってこどもにその習い事の意義や楽しさを語ってやっているのだろうか?もしかすると「私がやりたかったけど実現しなかった夢をあなたが身代わりで実現してね」「今お勉強をいっぱいすると良い大学に行けて、お金がいっぱい稼げる会社に入れるから頑張るのよ」とかいう強迫めいた押し付けをしているのではないかと勘ぐってしまう。そんな、いかにも子どもの自我を押さえつけ、表面だけの「いい子」を容易に作成しそうな押し付けをするくらいなら、私はもっと、ありきたりだけれど本当に親が経験して実感していることを子どもにたくさんたくさん言葉で伝えてやって欲しいと思うのである。「今日、電車に乗っていたら杖をついたお年寄りが乗ってきたので、席を譲ってあげたらとっても喜んでもらえたの。それを見て、席を立って足は辛くなったけど、気持ちはとっても嬉しくなったんだよ」とか「今お隣の○さんが△ちゃんに、ってチョコをおすそ分けしてくれたよ。いつも回覧板持ってきてくれてありがとうって」とかいう小さな会話から、子どもは人と人が関わって作り上げる社会というものを実感し、そこに自分がいずれは関わり、何かの役に立たなくてはならないという責務を理解し、自分がやれること、やりたいことを見つけていけるのではないだろうか。

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